最終更新日 2024-09-25

C# 9.0から追加された「nint」という型

概要

これまでの解説では、秀丸マクロとのやりとりの数値型の部分は「IntPtr」型を利用してきました。

Visual Studio 2019 の version 16.8 以降では、C#9.0が利用でき、
「32bit版だと数値が32bit」「64bit版だと数値が64bit」という目的のための「nint」という新たな型が用意されています。

nint 利用の準備

.NET Frameworkでは、たとえ 4.8を選択したとしても、デフォルトではC#7.3が割り当てられます。
このため、C#9.0を利用するためには、.csprj ファイルをテキストエディターで開いて以下のように書き換えてやる必要があります。

TestNint.csproj
            <LangVersion>latestMajor</LangVersion>

もしくは

TestNint.csproj
        <LangVersion>9</LangVersion>
    

IntPtrの代わりにnint

IntPtrの代わりにnintを用いることで、数値関連のキャストを大幅にカットすることが出来、見通しがよくなります。

TestNint.cs
using System;

namespace TestNint
{
    public class Class1
    {
        public static nint abc(nint b)
        {
            int c = 1000;
            return 3 + b + c;
        }

        public static IntPtr ddd(IntPtr c)
        {
            IntPtr e = (IntPtr)3;
            return abc(e);
        }
    }
}

nintは2020年11月にC#9.0として加わった機能であるため、まだ認知度は低いです。
このため、以降の解説でも基本的にはIntPtrでの解説となっていますが、
nintが使えるという方は積極的に利用し、ソースをすっきりとさせることをお勧めします。

但し、対象の数値がポインターやハンドル目的で利用する場合、nintよりもIntPtrと記載した方が意味をとらえやすいでしょう。