数値の扱い方② IntPtr より nint が便利

概要

これまでの解説では、秀丸マクロとのやりとりの数値型の部分は「IntPtr」型を利用してきました。

Visual Studio 2019 の version 16.8 以降では、C#9.0が利用でき、
「32bit版だと数値が32bit」「64bit版だと数値が64bit」という目的のための「nint」という新たな型が用意されています。

nint 利用の準備

.NET Frameworkでは、たとえ 4.8を選択したとしても、デフォルトではC#7.3が割り当てられます。
このため、C#9.0を利用するためには、.csprj ファイルをテキストエディターで開いて以下のように書き換えてやる必要があります。

PICTURE

***.csproj
            <LangVersion>latestMajor</LangVersion>

もしくは

***.csproj
        <LangVersion>9</LangVersion>
    

IntPtrの代わりにnint

IntPtrの代わりにnintを用いることで、数値関連のキャストを大幅にカットすることが出来、見通しがよくなります。

ClassLibrary36.cs
using System;
using System.Runtime.InteropServices;

namespace ClassLibrary36
{
    public class Class1
    {
        [DllExport]
        public static nint abc(nint b)
        {
            int c = 1000;
            IntPtr cc = (IntPtr)3;
            return 3 + b + c + cc;
        }

        [DllExport]
        public static IntPtr ddd(IntPtr c)
        {
            IntPtr result = (IntPtr)33;
            nint result2 = result + 1000;

            return (IntPtr)result2;
        }
    }
}

呼び出し側

ClassLibrary36.mac
#DLL = loaddll( currentmacrodirectory + @"\ClassLibrary36.dll");
#num = dllfuncw( #DLL, "abc", 1000);
message(str(#num));

#num = dllfuncw( #DLL, "ddd", 1000);
message(str(#num));

nint は新しい機能

nintは2020年11月にC#9.0として加わった機能であるため、まだ認知度は低いです。
このため、以降の解説でも基本的にはIntPtrでの解説となっていますが、
nintが使えるという方は積極的に利用し、ソースをすっきりとさせることをお勧めします。

但し、対象の数値がポインターやハンドル目的で利用する場合、nintよりもIntPtrと記載した方が意味をとらえやすいでしょう。